2013/11/18

産業・貿易

対米FTAの第2回交渉が終了、自動車など規制調和で重点協議

この記事の要約

EUと米国は15日、11日からブリュッセルで実施していた自由貿易協定(FTA)締結に向けた第2回交渉を終えた。欧米間で異なる規制やルールの調和などについて重点的に協議が行われ、欧州委員会は声明で「良好な雰囲気の中で交渉は […]

EUと米国は15日、11日からブリュッセルで実施していた自由貿易協定(FTA)締結に向けた第2回交渉を終えた。欧米間で異なる規制やルールの調和などについて重点的に協議が行われ、欧州委員会は声明で「良好な雰囲気の中で交渉は順調に進展した」と成果を強調した。双方は2014年中の妥結を目指し、12月16~20日にワシントンで3回目の交渉を行う。

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第2回交渉は当初、10月上旬に実施する予定だったが、米政府機関の一部閉鎖で交渉担当者を派遣できなくなり、延期を余儀なくされた。欧州委員会のガルシア=ベルセロ首席交渉官は「交渉は一歩ずつ前進している。今回はさまざまなセクターの規制をどのように調和させるかについて集中的に協議した」と説明。特に自動車、医療機器、化学製品、化粧品などの分野で「性能や安全性の基準を落とすことなく」、双方の規制やルールを調和・統一させる必要があるとの認識を示した。

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たとえば自動車の場合、EU側は主要部品の安全基準を欧米間で統一することで、生産コストを20%程度削減できると試算しており、ある交渉担当官は「関税撤廃より規制の統一の方がはるかに重要だ」と指摘している。さらにEU・米間の合意を国際標準などに反映させる狙いもある。ただ、実際には規制や基準を統一することは困難なため、双方が安全性などの基準を相互に承認し、どちらか一方の当局との手続きだけで円滑に輸出できる制度の構築などが検討されているもようだ。

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今回の会合ではこのほか、投資、サービス、エネルギーなどの分野もテーマに取り上げられた。サービス分野では金融、通信、電子商取引などが重点領域となっており、双方は金融サービス分野における規制面の協力について話し合うため、2カ月以内に会合を開くことで合意した。

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