2013/11/25

総合 –EUウオッチャー

欧州議会がEU次期中期予算を承認、初の減額予算に

この記事の要約

欧州議会は19日に開いた本会議で、EUの次期中期予算(対象期間:2014~20年)を賛成多数で承認した。予算総額は現行中期予算(2007~13年)を3.5%下回る約9,600億ユーロ。加盟国が財政緊縮を余儀なくされる中、 […]

欧州議会は19日に開いた本会議で、EUの次期中期予算(対象期間:2014~20年)を賛成多数で承認した。予算総額は現行中期予算(2007~13年)を3.5%下回る約9,600億ユーロ。加盟国が財政緊縮を余儀なくされる中、史上初の減額予算となった。

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中期予算をめぐっては、現行中期予算を5%上回る1兆330億ユーロという欧州委員会の原案について、これを支持する欧州議会と、減額を求める英国、オランダなど加盟国の意見が衝突。昨年中に合意に至らず、持ち越しとなっていた。

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加盟国と欧州議会の代表が6月に合意した妥協案は、欧州議会側が減額を受け入れる代わりに、加盟国側は予算の弾力的な運用を認めるという内容。具体的には◇未消化のEU単年予算について、拠出国に返納する現行システムを改め、翌年への繰り越しや、状況に応じた使途の変更をできるようにする◇2016年に増額を含めた予算見直しを実施する――などを取り決めた。

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欧州議会の本会議では、同妥協案を主要会派が支持し、賛成537票、反対126票の賛成多数で予算案が可決した。加盟国も近日中に承認する見込みで、同問題がようやく決着した。

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