2013/11/25

総合 –EUウオッチャー

伊政府がエニ株など国有資産売却へ、財政再建のため120億ユーロ調達

この記事の要約

イタリアのレッタ首相は21日、政府が財政再建の一環として、保有する国営企業など8社の株式を2014年末までに売却し、最大120億ユーロを調達すると発表した。売却対象には石油大手エニなどが含まれる。\ 政府が売却するのはエ […]

イタリアのレッタ首相は21日、政府が財政再建の一環として、保有する国営企業など8社の株式を2014年末までに売却し、最大120億ユーロを調達すると発表した。売却対象には石油大手エニなどが含まれる。

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政府が売却するのはエニ、半導体大手STマイクロエレクトロニクス、造船大手フィンカンティエリ、輸出信用機関SACE、鉄道駅内の小売り事業を手掛けるグランディ・スタツィオーニ、預託貸付公庫(CDP)の子会社で送電大手テルナなどの大株主であるCDPレティ、航空管制のエナヴなど。

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イタリアの公的債務は国内総生産(GDP)比133%と、EUの財政規律の上限である60%を大きく超過し、EUでギリシャに次ぐ高水準にある。このため欧州委員会は先ごろ、政府の債務圧縮策が不十分として、2014年度予算案に盛り込まれた約30億ユーロの公共投資支出を認めない方針を打ち出していた。

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これを受けて伊政府は21日の閣議で、国有資産の売却を決めた。調達予定額のうち半分に相当する60億ユーロを債務圧縮に充てる。レッタ首相によると、今回の資産売却は第1弾で、向こう数カ月以内に第2弾を発表する予定。同首相は今回の措置によって、欧州委から14年度予算案での公共投資に対する理解を取り付けたいとしている。

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政府はエニの株式2%を売却する方針。これによって持ち株比率は30%に縮小する。SACEとグランディ・スタツィオーニは株式の60%、CDPレティは同50%、フィンカンティエリとエナヴは同40%を売却するという。

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