EU加盟国と欧州委員会、欧州議会の代表は21日、「ダークプール」と呼ばれる株式の取引所外取引の規制案の概要について合意した。同取引をEUの証券取引全体の4%以下に制限する。特定銘柄の同取引にも上限を設け、EU内での全取引の8%を超えないようにする。
\ダークプールは証券会社が証券取引所を通さず、機関投資家の注文を社内で付け合わせる私設取引システム。取引当事者同士が直接交渉して価格を決定できるほか、投資家にとっては匿名での取引が可能となる。また、価格や注文量などが取引完了まで公開されないことから、大口の注文でも気配が他の投資家に知られて価格が変動することなく、有利な条件で取引できる。証券会社が取引所に手数料を支払わないため、投資家の取引コストを安くできるという利点もある。
\しかし、取引が不透明で、証券取引所の役割が低下するという問題も指摘されていることから、EUは証券市場の透明性向上に主眼を置いた金融商品市場指令(MiFID)の見直しの一環として、同取引の規制を検討していた。
\金融コンサルタント会社のTABBグループによると、欧州の証券取引に占めるダークプールの割合は11%。4%に制限されることで、大幅な縮小を迫られる。とくに欧州のダークプールが集中する英シティにとって大きな打撃となる。
\ダークプール規制の詳細は、EUの欧州証券規制当局委員会(CESR)が詰めることになっている。また、欧州議会の代表によると、同規制を含むMiFID見直し案についても12月中の合意が見込まれるという。
\