2013/12/2

総合 –EUウオッチャー

ベルルスコーニ氏の議員資格剥奪、伊上院が決定

この記事の要約

イタリア上院は11月27日の本会議で、脱税事件で有罪が確定したベルルスコーニ元首相の議員資格剥奪を賛成多数で議決した。これにより、1994年以降3期にわたって首相を務め、イタリア政界で絶大な影響力を誇ってきた元首相は国会 […]

イタリア上院は11月27日の本会議で、脱税事件で有罪が確定したベルルスコーニ元首相の議員資格剥奪を賛成多数で議決した。これにより、1994年以降3期にわたって首相を務め、イタリア政界で絶大な影響力を誇ってきた元首相は国会から追放された。

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ベルルスコーニ氏は、実質的に所有するテレビ局グループ「メディアセット」の映画放映権購入に絡み約730万ユーロの脱税を主導したとして、8月に最高裁から禁錮4年(恩赦法により1年に短縮)の有罪判決を言い渡された。これを受けて上院委員会は10月4日、議員資格の剥奪を本会議に勧告していた。

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ベルルスコーニ氏は27日、ローマ市内の私邸前で詰めかけた支持者を前に演説を行い、自身を失職に追い込んだ政敵を批判。「今日は民主主義のために喪に服す日だ」と述べる一方で、「修道院に隠居する気はない。議会外でも自由のための戦いは続けられる」と語り、政界にとどまる意向を明らかにした。

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イタリアの法律では禁錮2年以上の有罪判決が確定した場合、6年間あらゆる選挙に立候補することができない。ただ、ベルルスコーニ氏は自ら率いる中道右派政党「フォルツァ・イタリア」の党首にとどまることで、一定の政治的影響力を保持することは可能だ。アメリカン大学(ローマ)のジェームズ・ウォルストン教授は、ベルルスコーニ氏には巨額の資金とメディア、熱心な支持者があると指摘。「その影響力は低下しつつあるものの、依然として極めて強力だ」と述べている。

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