EU統計局ユーロスタットが12日発表したユーロ圏の10月の鉱工業生産指数(季節調整済み)は前月比で1.1%低下し、2カ月連続で落ち込んだ。下げ幅は前月の0.2%を大きく上回り、2012年9月以来の高水準となった。ユーロ圏経済の約2割を占める鉱工業の回復が遅れていることが確認された格好で、市場では10―12月期の域内総生産(GDP)が小幅の伸びにとどまるとの見方が強まっている。
\EU28カ国ベースの鉱工業生産指数は0.7%の低下となり、3カ月ぶりのマイナスに転落した。データが出そろっている23カ国では主要国のドイツ、フランス、スペインを含む12カ国で低迷。特にアイルランドは11.6%低下と大きく落ち込んだ。経済の柱のひとつである製薬部門が、世界的な需要の後退、新薬の特許失効で不振に陥っていることが大きく反映されたとみられる。
\前年同月比ではユーロ圏が0.2%、EUが0.8%の幅で上昇した。
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