2014/1/20

競争法

EU、チェコへの補助金交付を凍結

この記事の要約

EUがチェコに対して1,000億コルナ(40億ユーロ)の補助金支払いを凍結している。交付対象となる2件の事業について、運営や監督体制に問題があると判断したため。13日付けの現地日刊紙『ムラダー・フロンタ・ドゥネス(MfD […]

EUがチェコに対して1,000億コルナ(40億ユーロ)の補助金支払いを凍結している。交付対象となる2件の事業について、運営や監督体制に問題があると判断したため。13日付けの現地日刊紙『ムラダー・フロンタ・ドゥネス(MfD)』が報じた。

補助金交付が凍結されているのは、ビジネスおよびイノベーションに関するプロジェクトと、中央ボヘミア県の地域開発プロジェクト。前者については、産業貿易省がプロジェクトの監督をチェコ商工会議所に委ねたことが問題視されている。商工会議所の会員はEUの補助金を受け取る企業であることから、利益相反の可能性があるためだ。一方、中央ボヘミア県の地域開発プロジェクトへの補助金支払いは、2012年6月に同県のラート知事(当時)が公共事業入札に絡む汚職容疑で逮捕されて以降、凍結されている。現在行われている裁判では、ラート前知事とその側近は、EUの補助金が投入された公共事業の入札で組織的な汚職に手を染めていたことが明らかになっている。

欧州委のフーバー報道官はMfD紙の取材に対し「委員会は補助金を交付するに当たって解明すべき複数の問題点を確認した」と述べ、問題が解決されるまで補助金の支払いを再開しない方針を示した。

チェコは06年から13年までにEU構造基金から2,600億コルナを受け取っている。