2014/2/3

総合 –EUウオッチャー

トルコ中銀が緊急大幅利上げ、通貨防衛で翌日物金利12%に

この記事の要約

トルコ中央銀行は1月28日、金融政策理事会の臨時会合を開き、政策金利を大幅に引き上げた。通貨リラの下落を食い止める狙い。上げ幅が市場の予測を上回ったことに加え、景気を優先して低金利政策を強く求めるエルドアン首相に中銀の独 […]

トルコ中央銀行は1月28日、金融政策理事会の臨時会合を開き、政策金利を大幅に引き上げた。通貨リラの下落を食い止める狙い。上げ幅が市場の予測を上回ったことに加え、景気を優先して低金利政策を強く求めるエルドアン首相に中銀の独立姿勢を示したことで、決定後のリラ相場は急上昇。他の新興国通貨にもプラス効果が波及するとみられている。

中銀は主要政策金利の翌日物貸出金利を7.75%から12%に引き上げたほか、7日物レポ金利を4.5%から10%に引き上げた。

米連邦準備制度理事会(FRB)の量的金融緩和縮小によるトルコ・リラの値下がりは、12月に発覚した閣僚の汚職疑惑で加速。21日に開かれた中銀の金融政策理事会の定例会合で金利が据え置かれたことで下落が進み、中銀の市場介入にもかかわらず、対米ドル相場は27日の時点で1年前から31%下落し、過去最安値を記録していた。

中銀はこれまで市場介入でリラを買い支える策をとってきた。しかし、外貨準備高が比較的小さいため、投資家は中銀に長期的かつ継続的に相場を安定させる力がないと判断。介入の効果はあがらなかった。

トルコは多額の経常赤字の穴を国外からの短期投資で埋めてきた。米国の金融緩和縮小に伴い投資家が急速に資金を引き揚げることで、経済が大きな打撃を受けることから、リラ下落が進んでいた。