2014/2/17

環境・通信・その他

協調型ITSの標準化作業が完了、コネクテッドカーが15年にも実用化へ

この記事の要約

欧州委員会は12日、自動車と無線通信技術を融合した「コネクテッドカー(ネット接続型自動車)」について、欧州の標準規格策定団体である欧州標準化委員会(CEN)と欧州電気通信標準化機構(ETSI)による標準化作業が完了したこ […]

欧州委員会は12日、自動車と無線通信技術を融合した「コネクテッドカー(ネット接続型自動車)」について、欧州の標準規格策定団体である欧州標準化委員会(CEN)と欧州電気通信標準化機構(ETSI)による標準化作業が完了したことを明らかにした。これにより、異なるメーカーの自動車や道路インフラと情報をやり取りできるコネクテッドカーが2015年にも実用化される見通しとなった。

コネクテッドカーはインターネットを介して車同士や車と道路インフラの間で事故や渋滞などの情報を共有し、道路交通の効率性や安全性を高めると共に、自動車を高度な情報端末と位置付けて、地図・気象情報や音楽・動画配信などさまざまなサービス提供を可能にする。欧州委は2008年、情報通信技術を活用した「高度道路交通システム(ITS)」の構築に向けた行動計画をまとめ、その一環として09年10月、欧州における3つの標準化団体に対し、コネクテッドカーの基盤となる「協調型ITS」と呼ばれる運転支援システムの相互運用性を実現するための標準規格の策定を委託。最終的にCENELEC(欧州電気標準化委員会)を除いた2団体(CENおよびETSI)がこれを受諾し、EUが2002年以降、総額1億8,000万ユーロを投じた約40の研究プロジェクトの成果をもとに標準化作業を進めていた。

CENとETSIは12日にベルリンで開かれたETSI主催のITSに関するワークショップで、13年末までに路車間および車間協調の通信仕様をはじめとする標準規格の策定作業を完了したことを明らかにした。欧州委のクルース委員(デジタル政策担当)はこれを受け、「標準化作業が完了したことで、コネクテッドカーの実用化に向けたプロジェクトに弾みがつく。自動車同士や自動車と道路インフラの間で直接情報をやりとりできるようになることで、道路交通の効率性や安全性の向上と並んでドライバーや通行人にとって利便性が増し、環境や経済面でも大きなメリットが期待できる」とコメント。そのうえで、コネクテッドカーの実用化に向けてEU全体で高速ブロードバンドの整備を進めるほか、周波数管理などで加盟国が連携を強化する必要があると指摘している。