2014/3/31

環境・通信・その他

欧州委が有機農業の新ルール提案、小規模農家の参入を支援

この記事の要約

欧州委員会は25日、持続可能な有機農業の推進を目的とする新たな規則案を発表した。有機食品の認定制度や管理システムなどに関するルールを域内で統一して、有機農法に対する生産者と消費者双方の信頼を確立し、とりわけ小規模農家が有 […]

欧州委員会は25日、持続可能な有機農業の推進を目的とする新たな規則案を発表した。有機食品の認定制度や管理システムなどに関するルールを域内で統一して、有機農法に対する生産者と消費者双方の信頼を確立し、とりわけ小規模農家が有機栽培に移行しやすい環境を整える。今後、欧州議会とEU閣僚理事会で規則案について検討する。

欧州委によると、EU内では過去10年間に有機食品の市場規模が4倍に拡大し、今後も需要増が見込まれるが、この間に規制の枠組みは変わっておらず、現行ルールの順守状況も国によってばらつきがある。欧州委は域内で生産・販売される有機食品の品質保証を図ると同時に、市場参入の機会を拡大することが有機農業を推進するうえでカギを握り、そのためには実情に合わせた規制の見直しが不可欠と判断。約2年前から関係する各方面と協議を続けてきた。

欧州委はまず、有機食品の生産や管理に関するルールについて、さまざまな例外や特例措置が安全性や品質に対する消費者の信頼を損ない、市場の発展を妨げる要因になっていると分析。不必要な例外規定を排除して、輸入品を含めたすべての有機食品に対する規制を調和させることを提案している。また、小規模農家に対する奨励策として、新たにグループ単位の認定制度を導入し、認定手続きや検査などにかかる経費を削減して有機栽培への移行を促す。

欧州委はさらに有機農家、有機食品の生産者、販売業者が円滑に新ルールに対応できるよう、18項目から成る行動計画を打ち出した。EUが主導する有機農業奨励策に関する情報の提供、学校での有機食品の提供奨励、EU産有機食品への表示が義務付けられているロゴ「ユーロリーフ」の周知、有機食品のトレーサビリティ強化に向けた電子認証システムの導入などが行動計画に盛り込まれている。