ツイッターがブリュッセルの拠点閉鎖、欧州委は新規制への対応懸念

英フィナンシャル・タイムズ(FT)は24日、米ツイッターがベルギーの首都ブリュッセルの拠点を閉鎖したと報じた。同社は10月にイーロン・マスク氏が買収して以降、大規模な人員削減を断行しており、最後に残った2人が最近退社したという。ブリュッセルにはEU本部があり、同拠点はツイッターがさまざまなEUの規制に対応する上で重要な役目を担っていた。

事情に詳しい複数の関係者によると、ブリュッセルの拠点は6人の従業員を擁していたが、ここ数週間に4人が解雇され、欧州委員会との連絡などにあたっていた最後の2人も退社した。ツイッターと退社した従業員はともにコメントを拒否している。

ロイター通信がEU関係者の話として報じたところによると、欧州委のレンデルス委員(司法担当)はアイルランドの首都ダブリンにあるツイッターの欧州本社で同社幹部と会談し、ブリュッセルの拠点閉鎖や欧州各国での大規模な人員削減について説明を求めたもよう。レンデルス氏が欧州委との連絡窓口がなくなることで新規制への対応が困難になるのではないかとの懸念を示したところ、ツイッター側はEUルールを完全に順守することを確約したという。

EUは巨大IT企業に対する規制を強化しており、2024年1月から交流サイト(SNS)や検索エンジンなどを提供するプラットフォーム事業者に対し、著作権侵害動画やヘイトスピーチなどの違法コンテンツや、模造品や海賊版など違法商品の削除を義務付ける「デジタルサービス法(DSA)」の適用を開始する。違反した企業は世界全体の売上高の最大6%の制裁金を科される可能性がある。

上部へスクロール