パナソニック空質空調社は14日、HVAC(暖房・換気・空調)欧州事業部を4月1日付で独ヴィ―スバーデンに開設すると発表した。ヒートポンプ式給湯暖房機(A2W)など急拡大する環境配慮の水循環型暖房空調市場に迅速かつ柔軟に対応するため、市場の前線にマネジメント組織を設立。開発・製造・販売機能を現地化し競争力を高める狙いがある。
開発機能については、現地の需要にフィットした製品・サービスの創出を目指して、研究・開発センターを伊ミラノに新設する。家庭・業務用水循環型暖房空調機器、低GWP(地球温暖化係数)冷媒採用モデルの開発、クリーンテクノロジー、センシング技術、室内空気質について研究を進めていく。また、クラウド開発を強化し、機器納入後の顧客向けにIoTを活用したサービス事業を拡大する。機器の遠隔監視・故障診断により管理業務を軽減。速やかな点検・修理を可能にするほか、エネルギーや空気質の見える化で、省エネと室内環境最適化を実現する。長期間にわたる安全・安心・快適な製品の使用につなげる。
同社は欧州でA2Wや水循環型空調事業の成長を加速させるため、チェコ工場に150億円を追加投資し、A2Wの生産を増強することも明らかにした。昨年発表済みの投資と合わせると、欧州地域への投資額は800億円となる。