セルビア中央銀行(NBS)は9日、政策金利を0.25ポイント引き上げ、5.75%に設定した。利上げは12会合連続で、市場の予想通り。物価上昇に歯止めをかけるため引き締め策を維持する。昨年4月からの上げ幅の合計は4.75ポイントに上る。
1月のインフレ率は前月から0.7ポイント増の15.8%に上昇した。食品とエネルギー価格の高騰が大きい。今後について中銀は、1~3月期中は高止まりするものの、その後は低下に転じて年後半に急激に下がり、2024年半ばには目標範囲に戻ると予想している。
中銀は声明で、金融引き締め策に加え、世界的な商品価格の下落と経済成長の鈍化がインフレ圧力を緩和する可能性を指摘。主にユーロ圏からの外需の減退が国内経済の減速につながるとした上で、今後の金融政策は、これらマクロ経済の動向と地政学的な状況を踏まえて行うとする意向を繰り返した。
また、利上げにより通貨ディナールの対ユーロの為替レートを安定させることが物価の安定に寄与するとの認識も示した。