ハンガリー中央銀行は3月28日、政策金利を13%に据え置くことを決めた。据え置きは6会合連続で、市場の予想通り。インフレ率の上昇に歯止めがかかる中、現行の高金利水準を維持することでインフレリスクを抑えられると判断した。
政策金利の下限となる翌日物貸出金利は12.5%に、上限となる翌日物、7日物有担保付貸出金利は25%に、それぞれ据え置いた。
同国の2月のインフレ率は前月から0.3ポイント減の25.4%に縮小した。インフレ率の低下は2021年7月以来20カ月ぶり。燃料価格の下落と、食品価格の上昇ペースの鈍化が大きい。中銀は今後について、インフレ期待は引き続き上昇しているとしつつ、エネルギーや商品価格、物流コストの大幅な下落や、サプライチェーンの正常化、世界経済の減速が価格圧力を和らげていると指摘。国内の景気減速を受けた消費者需要の減退も企業による価格転嫁を防いでおり、「規律ある」価格設定を可能にしていると説明する。年間インフレ率は今年15~19%で、来年は3~5%まで下がるとみる。
中銀は新型コロナ流行を受けて高めた流動性の余剰分を引き締めるため、昨秋から預金準備率の引き上げや長期預金手段、割引手形オークションの開催などの施策を導入している。このうち準備率は4月1日から10%に引き上げられる。
同銀は声明で、金融市場の安定を確保し、金融政策の波及効果を強めることが物価を安定させるための鍵だと指摘。今後も金融環境を長期間引き締めることでインフレ目標を持続可能な形で達成できるとの見解を改めて示した。