EU統計局ユーロスタットが2日に発表したユーロ圏の4月のインフレ率(速報値)は前年同月比7.0%となり、前月の6.9%を0.1ポイント上回った。インフレ率の拡大は6カ月ぶり。ただ、欧州中央銀行(ECB)が金融政策決定で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は縮小に転じた。(表参照)
ユーロ圏のインフレ率は、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギーの急激な値上がりの影響で跳ね上がり、22年10月には過去最高の10.6%に達した。その後はエネルギー高に歯止めがかかり、3月まで5カ月連続で縮小していた。
分野別の上昇率はエネルギーが2.5%。前月のマイナス0.9%からプラスに転じた。工業製品は6.2%、サービスは5.2%だった。
基礎インフレ率は5.6%。前月の5.7%から0.1ポイント縮小した。上昇率の鈍化は22年6月以来。
主要国のインフレ率はドイツが7.6%、フランスが6.9%、イタリアが8.8%、スペインが3.8%だった。ドイツ以外の3カ国で前月を上回った。