英高齢者の3割、ネット銀行に「抵抗感」

英国で銀行の支店閉鎖が相次ぎ、オンラインバンキングの普及が進む中、高齢者の約3割が同サービス利用に抵抗感を持っていることが、高齢者への支援活動を行う慈善団体「エイジUK」の調査で分かった。

同調査は1,147人を対象に実施された。3日に公表された調査結果によると、国内銀行の口座を持つ65歳以上の高齢者の39%が、オンラインサービスを利用していないと回答。特に85歳以上の58%が支店窓口の利用に頼っていることが分かった。同サービス利用に抵抗感があるという人も31%に上った。理由については、詐欺被害の恐れ、同サービスを信頼していない、IT機器を扱う能力がないが多かった。

英国の現金自動預払機(ATM)運用事業者リンクによると、国内の銀行支店数は6,000支店を割り込み、20年前の半数以下に減少した。2022年だけで662支店が閉鎖。23年も現時点で238支店が閉鎖された。

英銀行業界は21年、郵便事業者ポストオフィスと連携し、銀行の支店がなくなった地域の52カ所に「バンキング・ハブズ」と称される共同窓口サービスの拠点を設置することで合意した。しかし、これまでに設置されたのは4カ所にとどまっている。

エイジUKは、このままでは高齢者が金融サービスから締め出されるとして、バンキング・ハブズ設置加速に必要性を強調している。

上部へスクロール