欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/11/24

EUその他

EUがレジ袋の削減案で合意、今後10年で80%削減

この記事の要約

欧州議会は21日、スーパーなどで使われるプラスチック製レジ袋の使用削減に向けた指令改正案で、欧州理事会と非公式に合意したと発表した。加盟国にレジ袋の削減目標設定あるいは有料化を義務付けることによって、環境汚染につながるレ […]

欧州議会は21日、スーパーなどで使われるプラスチック製レジ袋の使用削減に向けた指令改正案で、欧州理事会と非公式に合意したと発表した。加盟国にレジ袋の削減目標設定あるいは有料化を義務付けることによって、環境汚染につながるレジ袋の使用量を今後10年間で80%削減することを目指す。

指令改正案によると、加盟国はレジ袋の年間使用量を2019年までに90枚、2025年までに40枚へと段階的に減らすか、18年までにすべてのレジ袋を有料化することのいずれかを求められる。目標を達成できない加盟国は欧州委員会によって欧州司法裁判所に提訴される可能性がある。なお、懸案となっていた生分解性プラスチックのレジ袋の禁止について今回は見送られ、代わりに欧州委がこうした袋の「環境への影響を調査する」との文言が盛り込まれた。

EUの推定では、域内の1人当たりの年間レジ袋使用量は2010年時点で198枚。うち9割が再利用の難しい薄型で、多くが廃棄されている。プラスチック製レジ袋は自然分解されにくく、廃棄されると海洋生物が誤食したり、残留性有機汚染物質による土壌・水質汚染を引き起こす。欧州委の調査では、北海の全鳥類の94%の胃にレジ袋のプラスチックが含まれていることが分かっている。

なお、デンマークなど一部の加盟国では既にレジ袋が有料化されているため、今回の指令改正の影響を受けない。デンマークではレジ袋の年間使用枚数は国民1人当たり4枚だが、ポーランド、ポルトガル、スロバキアでは466枚に上っている。