欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/6/1

EU情報

日本と5G通信推進で連携強化、標準化や周波数管理などで協力

この記事の要約

欧州委員会は5月27日、EUと日本が第5世代(5G)通信ネットワークの標準化などで協力する「戦略的協力」に関する共同宣言に署名したと発表した。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに5Gサービスを商用 […]

欧州委員会は5月27日、EUと日本が第5世代(5G)通信ネットワークの標準化などで協力する「戦略的協力」に関する共同宣言に署名したと発表した。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに5Gサービスを商用化するため、日本とEUが協力体制を強化する。

5Gは「第3.9世代(3.9G)」と呼ばれるLTEを高度化した最新の通信方式「LTE-Advanced」に続く次世代の通信技術。通信速度は10Gbps以上に達する見通しで、各国で開発が進められている。

共同宣言には高市総務大臣と欧州委のエッティンガー委員(デジタル経済・社会担当)が署名した。EUと日本は5Gの実用化に向け、標準化の策定、相互運用性を確保するための周波数管理や政策調整、研究開発の推進などで協力する。双方はさらに、モノのインターネット(IoT)、クラウド技術、ビッグデータ・プラットフォームなど5G関連の開発プロジェクトを支援するため、今後2年間に総額1,200万ユーロを投じることでも合意した。

一方、EUと日本は今回、情報通信技術(ICT)、航空宇宙工学、医療、環境、エネルギー、物理学など幅広い分野における革新的な研究の推進で連携を強化することでも合意した。双方は共同で財源を確保し、日欧の研究機関や企業による合同プロジェクトが資金調達しやすい仕組みを構築する。欧州委は一連の取り組みにより、エネルギー安全保障や高齢化など、EUと日本が直面する共通の課題に対処できると説明している。