欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/6/8

EU情報

5月のユーロ圏インフレ率0.3%、6カ月ぶりに物価上昇

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットは2日、ユーロ圏の5月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比で0.3%上昇したと発表した。インフレ率がプラスとなるのは6カ月ぶり。欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%を大きく下回っているものの、 […]

EU統計局ユーロスタットは2日、ユーロ圏の5月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比で0.3%上昇したと発表した。インフレ率がプラスとなるのは6カ月ぶり。欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%を大きく下回っているものの、物価の下落が長期化するデフレに陥る懸念は遠のいたようだ。

ユーロ圏のインフレ率は原油価格の下落を受けて昨年12月にマイナスとなり、下げ幅は1月に0.6%まで拡大した。その後は原油安に歯止めがかかり、下げ幅が縮小。4月はゼロ%まで持ち直していた。

5月のエネルギーがマイナス5%となったものの、マイナス幅は前月の5.8%から縮小。食品・アルコール・たばこは1.2%、工業製品は0.3%、サービスは1.3%の幅で上昇した。また、価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率は0.9%と、前月の0.6%から0.3ポイント上昇した。

物価が上昇に転じた背景には、原油価格が持ち直しつつあることに加えて、ユーロ圏経済の回復、ECBが3月に開始した量的金融緩和の効果もあると目される。