カナダのデパート大手ハドソンズ・ベイ・カンパニー(HBC)は15日、独小売大手メトロからデパート子会社カウフホーフを買収することで合意したと発表した。カウフホーフには独同業カールシュタットを率いるレネ・ベンコ氏も買収提案を行っていたが、HBCが競り勝った。
買収額は債務引き受けも含めて28億2,500万ユーロ。カウフホーフのドイツ国内の103店舗のほか、スポーツ用品販売店(スポーツアレーナ)、ベルギーの店舗、ケルンにあるカウフホーフの統括拠点、物流センターなども買収対象となる。9月末までの買収手続き完了を見込む。
HBCは買収後も3年間は店舗の閉鎖を行わず、従業員(2万1,500人)も引き続き雇用する。HBCのジェラルド・ストーチ最高経営責任者(CEO)は記者会見で、「当社は(カウフホーフの)事業を拡大したい」と述べ、従業員数を増やしていく考えを示した。
メトロは今回の取引で得る約16億ユーロの売却益を事業の拡大、債務の圧縮に充てる。今後は経営資源を小売店やレストランなどの事業者を対象とするキャッシュ・アンド・キャリーと家電販売のメディア・ザトゥーン、ハイパーマーケットのレアルに絞り込む。