欧州の航空大手5社が創設した新業界団体A4E(Airlines for Europe)が20日、正式発足した。レガシーキャリアと称される従来型の航空会社と格安航空会社(LCC)が結束してロビイング活動を展開し、EUに空港使用料の削減など規制改革を求めていく。
A4Eには英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空の親会社であるインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)、エールフランス─KLM、ルフトハンザとLCCのライアンエアー、イージージェットが加わる。レガシーキャリアとLCCによる団体設立は初めてだ。
ロビー活動では欧州の空港の使用料引き下げと、航空管制官のストライキの回避に向けた新規制導入が大きな焦点となる。A4Eは2005年以降に航空運賃が約20%低下している一方で、欧州の主要21空港では空港使用料が80%値上がりし、10大空港では上げ幅が90%に達していると指摘。これが旅客に10年間で54億ユーロのコスト負担を強いているとして、EUの欧州委員会に使用税の大幅な引き下げを求めていく意向を表明した。
管制官のストについては、毎年夏季に実施され、航空会社の業務が支障をきたしていることから、スト決行の前に労使が調停手続きを行うことを義務付ける新規制の導入を求める。年内の実現を目指すとしている。
欧州では欧州航空協会(AEA)がレガシーキャリアの主要業界団体となっているが、IAGは同団体が有効に機能していないとして脱退。半年前にLCCも加えた新団体を設立することで合意していた。