インベブ、SABの中国事業を売却

ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ、本社ベルギー)は2日、買収で合意した英SABミラーの中国事業を売却することで合意したと発表した。中国当局から同買収の認可を取り付けるのが狙いで、SABが中国ビール最大手の華潤ビールと合弁展開する華潤雪花ビールの株式49%を華潤ビールに16億ドルで売却する。

インベブは昨年11月、ビール世界2位のSABミラーを買収することで合意したが、これによって巨大ビール会社となることから、関係国・地域で承認されるかどうかが大きな焦点となっている。

インベブは中国ビール市場で約16%のシェアを持つ。華潤雪花の同シェアは約24%。インベブはSAB買収によってシェアが4割に達することから、中国当局が買収を承認するのは難しいと目されていた。このためSABが保有する華潤雪花の全株式を合弁相手の華潤ビールに売却することを決めた。

これによって華潤雪花は華潤ビールを完全子会社化する。売却はインベブのSAB買収実現が条件となる。

インベブはSAB買収の認可に向けて、米合弁会社モルソン・クアーズの株式58%を120億ドルで合弁相手のモルソン・クアーズに売却することを決定済み。2月には伊ペローニ、オランダのグロルシュなどSAB傘下の欧州4社をアサヒグループホールディングスに25億5,500万ユーロで売却することで合意していた。

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