オランダ国民投票、EU・ウクライナ連合協定に“ノー”

EUとウクライナの連合協定の是非を問うオランダの国民投票は、反対派が多数を占め、同国による協定の批准が否決される見通しとなった。投票結果に法的拘束力はないが、政府は民意を無視するわけにはいかず、難しい対応を迫られることになる。

国民投票は6日に実施された。最終集計は12日に発表されるが、現地通信社が7日に報じた暫定開票結果によると反対票が61.1%、賛成票が38%となり、反対派が大差で多数を占めた。

EUとウクライナの連合協定は、自由貿易協定(FTA)を柱とするもの。双方は昨年6月に調印し、EUではオランダを除く27カ国が批准を終え、協定は1月に仮発効した。

オランダでは議会が批准を承認済みだ。しかし、同協定がウクライナのEU加盟につながり、これに反対するロシアとの軋轢が生じるといった理由で同協定に反対する声が挙がり、市民団体が署名活動を行った結果、国民投票で可否を問うことが決まった。

投票結果は投票率が30%を超えれば有効とみなされる。投票率は32%程度に達したもようで、この条件を満たした。オランダのルッテ首相は7日、「投票率が30%を超え、反対派が大差で勝利すれば、協定は批准できない」と述べ、投票結果を尊重する意向を示した。今後の対応については議会、EUと慎重に検討するとしている。

欧州ではEUに懐疑的な気運が広がっており、英国では6月にEU離脱の是非を問う国民投票が行われることになっている。オランダの国民投票はこうした空気の高まりを改めて印象付け、EUにとっては大きな打撃となる。英国で国民投票を前に、反EU派を勢いづかせるとの懸念も出ている。

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