米製薬大手ファイザーとアイルランド同業のアラガンは7日、合併計画を撤回すると発表した。両社は昨年に経営統合で合意したが、ファイザーは米政府が節税目的の合併・買収の規制を発表したことから、断念に追い込まれた。
両社は11月に合併で合意していた。ファイザーによる事実上のアラガン買収で、買収額は製薬業界では史上最大の1,600億ドルに達する。誕生する新会社は売上高でスイスのノバルティスを抜き、世界最大手に浮上するはずだった。
ファイザーがアラガンとの合併を決めた背景には、本社を税率が米国を大きく下回るアイルランドに移すことによる節税効果が大きかった。しかし、こうした米企業による節税目的の取引に反発する米財務省が規制に乗り出したことから、計画実現の意味が薄れたと判断し、合意を破棄した。ファイザーは声明で、同規制が今回の決定の要因であることを確認した。
ファイザーはアラガンに対して、同社が合併を進めるため負担した1億5,000万ドルの経費を支払う。