EUの大型投資計画が拡充、実施期間延長へ

欧州委員会は1日、EUが景気浮揚策の柱として昨年に開始した大型投資計画を拡充する方針を打ち出した。大きな成果を挙げていることを受けたもので、3年の予定だった実施期間を延長するほか、融資規模を拡大する。

この投資計画は域内の公共投資が加盟国の財政ひっ迫で縮小する中、民間資金を活用して投資プロジェクトを推進し、景気を浮揚するのが狙い。EUとEUの政策金融機関である欧州投資銀行(EIB)が拠出して創設する「欧州戦略投資基金(EFSI)」の210億ユーロの資金を元手に、EIBが市場で資金を集めて630億ユーロまで増強し、これを使って投資リスクの一部を保証して民間企業が投資を行いやすい環境を整えるというものだ。2015~17年の3年間で総額3,150億ユーロ以上の新規投資を呼び込むことを目指す。交通、エネルギー、通信、教育、研究開発などのインフラ整備プロジェクトが対象となる。

欧州委によると、EFSIが1年前に発足してから認可された対象プロジェクトは64件に上り、93億ユーロが拠出された。これによる恩恵を受けた中小企業は14万1,800社に上る。

欧州委はこうした実績を評価し、同投資計画を2018年以降も継続し、中小企業向け融資の規模を拡大することを決めた。延長期間、融資額など詳細は今秋に提案する。

上部へスクロール