VW、3四半期ぶり黒字転換

欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン（VW）が5月31日発表した2016年1～3月期（第1四半期）決算の純利益は23億600万ユーロとなり、前年同期から20.1％減少した。ただ、15年12月期の業績を強く圧迫した排ガス不正引当金の積み増しをひとまず回避できたことから、3四半期ぶりに黒字転換を果たした。

営業利益は34億4,000万ユーロで、3.4％増加した。排ガス不正引当金を為替変動に合わせて調整したことがプラスに働いた格好で、こうした特別要因を除いた実質ベースでは33億ユーロから31億ユーロに減少した。

売上高は3.4％減の509億6,400万ユーロに落ち込んだ。販売減と為替差損が響いた。マティアス・ミュラー社長は「第1四半期はディーゼル排ガス不正問題の影響を抑制できた」とした上で、「難しい条件下で立派な結果を出した」と述べた。

ブランドでは高級車のポルシェと量販車のシュコダがけん引。主力のVWブランドの乗用車は特別要因を除いた営業利益が前年同期の5億1,400万ユーロから7,300万ユーロに激減した。