1~3月のユーロ圏成長率、0.6%に上方修正

EU統計局ユーロスタットは7日発表した2016年1~3月期の域内総生産(GDP)統計の改定値を発表した。ユーロのGDP伸び率は前期比0.5%とされていたが、0.6%に上方修正され、15年1~3月期以来の高水準となった。設備投資などが成長を支えた。(表参照)

この伸び率は4月末発表の速報値と同水準。ユーロスタットは5月中旬、0.5%に下方修正していた。前年同期比の伸び率は1.7%となり、速報値の1.6%から0.1ポイント引き上げられた。

EU28カ国ベースのGDP伸び率は前期比が0.5%、前年同期比が1.8%。前年同期は0.1ポイント上方修正された。前期比でマイナス成長だったのはギリシャ、ポーランド、ハンガリーの3カ国だけ。ギリシャは前期の0.1%増から0.5%減に悪化した。主要国の上げ幅はドイツが0.7%で、前期の0.3%から大きく拡大。フランスは0.6%、イタリアは0.3%、スペインは0.8%、英国は0.4%だった。

同時に発表された同期のGDP統計の詳細によると、ユーロ圏では設備投資が前期比0.8%増、個人消費が0.6%増と堅調で、成長をけん引した。

ユーロ圏の同期の成長率は、米国の前期比0.2%を大きく上回る水準。ただ、今後は原油価格の上昇とユーロ高が逆風となり、成長のペースが鈍りかねない状況だ。

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