欧州委員会のユンケル委員長は7月27日、英国とのEU離脱交渉の責任者にフランスのベテラン政治家で元欧州委員のミシェル・バルニエ氏(65)を任命したと発表した。10月1日付で就任する。英政府は年内に離脱を正式に通告しないため、実際の交渉は来年に開始される見通しだ。
バルニエ氏はフランスの外相、農相などを歴任した人物。欧州委では2010~14年に域内市場・サービス担当委員を務め、ギリシャに端を発した債務危機の反省を踏まえたEUの金融改革を主導し、銀行同盟構想の実現に寄与した。
同氏は欧州委が英国との離脱交渉のため発足させる特別チームの責任者となる。欧州委の総局長級の待遇を受ける。ユンケル委員長はバルニエ氏について「卓越した交渉能力を持ち、交渉に関連する主要分野にも精通している」と述べた。