欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は9月26日、欧州議会の経済金融委員会の公聴会で、ユーロ圏経済は英国のEU離脱が決定した直後の混乱から回復したとの認識を示した。ただ、なお下振れリスクがあり、景気回復は緩やかなペースにとどまると指摘した。
ドラギ総裁は、英の離脱決定後に株価が急落するなど金融市場が混乱したが、打撃は抑えられ、ユーロ圏経済は「回復力を示した」と述べた。一方、今後の景気動向に関しては、外需が低迷しているため、成長は当初の予想より緩やかになるとの見通しを表明。また、英の離脱問題についても、EUと同国の離脱交渉にどれだけの時間がかかり、どのような結果になるかによって経済に悪影響が出る恐れがあると警告した。
一方、離脱交渉に関しては、域内の人、資本、モノ、サービスの自由な移動という「4つの自由」は連動したものだと述べ、英国がEU単一市場へのアクセスだけを維持することは認められないとの考えを示した。