ノルウェーの政府系ファンド「政府年金基金グローバル」の運用資産の構成を見直すため政府が設置した委員会は18日、株式投資の拡大を求める答申書を提出した。超低金利で債券の運用利回りが低迷していることを受けたもので、保有資産に占める株式の割合を現在の60%から70%に引き上げることを提言している。
政府年金基金グローバルは、ノルウェーの巨額の石油収入を財源とする世界最大の政府系ファンド。資産総額は約8,750億米ドル相当に上る。
同ファンドの運用資産は2007年から株式(国内株を除く)が60%、債券が35%、不動産が5%と定められている。元財務相やエコノミストなど9人のメンバーで構成される委員会は、低金利で運用環境が厳しく、現在の資産構成では今後30年間の運用利回りが目標の年4%を大きく下回る2.3%にとどまるとして、債券の割合を縮小して株式投資を増やすことを提言した。
株式投資の拡大には運用リスクの増大が伴うが、委員の1人は記者会見で、大半の委員がリスクは容認できるとして、これを支持したことを明らかにした。
ノルウェー政府は答申内容を検討し、来年4月に株式投資拡大の是非を判断する見通しだ。