欧州委員会は7日、英政府が日産自動車に対して、EU離脱が同社による英国での投資に悪影響を及ぼすことはないと確約したとされる件について、政府に説明するよう要請していることを明らかにした。この確約に、EU競争法に抵触する公的支援が含まれていないかどうかを確認する方針だ。
日産は英最大の自動車生産拠点であるサンダーランド工場を運営している。同社は英国のEU離脱が決まったことで、EU市場に非関税で輸出できなくなる恐れがあるとして、投資を打ち切る可能性が浮上していた。しかし、カルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)が10月にメイ首相と会談してから投資継続を決め、同工場で2つの新モデルを生産する方針を打ち出していた。
日産の決定に際しての確約をめぐっては、英政府は非関税でのEU自動車市場へのアクセスを維持できるよう努力する方針を伝えたとしているが、投資継続を取り付けるため、補助金交付や税制上の優遇措置を適用することを約束したとの見方も出ている。
これについて欧州委の報道官は、同問題に関する報道を受けて、英当局に接触し、確約の詳細について説明を求めたとコメント。これは同様のケースが生じた場合に実施する通常の行為で、正式の調査ではないと強調した。