EU統計局ユーロスタットは15日、今年7~9月期の域内総生産(GDP)統計の国別データを公表した。ユーロ圏ではフランスがプラス成長に回復し、ギリシャやスペインなど債務危機で国際金融支援を受けた国で復調したが、最大の経済国であるドイツの成長が鈍化し、GDP伸び率は低水準にとどまった。(表参照)
ユーロ圏の同期のGDP伸び率は、4~6月期と同じ前期比0.3%。英国のEU離脱決定の影響が懸念されたが、底堅さを保ち、14四半期連続のプラス成長となった。ただ、景気回復の足取りは鈍く、成長率は米国の0.7%を下回る水準となった。前年同期比では1.6%。EU28カ国ベースの成長率は前期比0.4%、前年同期比1.8%だった。
ドイツの伸び率は前期比0.2%で、前期の0.4%から半減した。個人消費が堅調だったが、輸出と設備投資が鈍化した。
一方、フランスは前期比0.2%増となり、前期の0.1%減から改善した。ゼロ成長だったイタリアも0.3%増と復調が進んだ。ギリシャは伸び率が0.3%から0.5%に拡大。このほか金融支援を受けたスペインが0.7%増、ポルトガルが0.8%増と高い伸びを示した。英国は0.5%増だった。