スペイン最大手銀行のバンコ・サンタンデールは16日、50%を出資する資産運用部門サンタンデール・アセット・マネジメントの残る株式50%を買い戻すと発表した。超低金利で銀行部門が厳しい状況にある中、高い手数料収入が見込める同部門を完全子会社化することで、収益力を強化する。
サンタンデールは同株式を米投資会社ウォーバーグ・ピンカス、ゼネラル・アトランティックから買い戻すことで合意した。取引額は明らかにしていない。
サンタンデール・アセット・マネジメントは欧州、中南米の11カ国で事業を展開している。運用資産額は1,700億ユーロ。手数料収入は年11億ユーロに上る。
サンタンデールは2015年、伊大手銀行ウニクレディトと資産運用部門を合併することで合意。ウニクレディト傘下のパイオニアとサンタンデール・アセット・マネジメントを統合して持ち株会社パイオニア・インベストメンツを設立することになっていた。
ウォーバーグ・ピンカスとゼネラル・アトランティックは、同合併が今年初めに白紙化されたことから、持ち株売却に応じることを決めた。
一方、サンタンデールは同日、伊インテサ・サンパオロ銀行と折半出資するミューチュアル・ファンド部門のオールファンズ・バンクの株式売却を検討していることも明らかにした。