ユーロ圏で景気の緩やかな回復を背景に、雇用の改善が進んでいる。EU統計局ユーロスタットが1日発表した9月の失業率は9.9%となり、2011年4月以来5年5カ月ぶりに10%を割り込んだ。さらに10月は09年7月以来の低水準となる9.8%(速報値)まで縮小した。(表参照)
9月の失業率は速報値で10%となっていたが、9.9%に改定された。
ユーロ圏の失業率は13年に一時、過去最悪の12.1%まで悪化した。失業率は現在もリーマンショックを引き金とした07~08年の世界金融危機の直前の7.5%をなお大きく上回っているものの、10月は前年同月の10.6%から0.8ポイントも改善した。
10月のEU28カ国ベースの失業率は、前月を0.1ポイント下回る8.3%。09年2月以来の低水準となった。主要国はドイツが4.1%、フランスが9.7%、イタリアが11.6%、スペインが19.2%。前月と比べるとドイツ、イタリア、スペインが0.1ポイント、フランスが0.2ポイント改善した。