ユーロ圏、ギリシャの債務軽減策実施を見送り

ユーロ圏は14日に開いた財務相会合で、金融支援を行っているギリシャの債務軽減策実施を見送ること決めた。今月初めの会合で、短期的な軽減策で合意していたが、その後にギリシャ政府が財政支出拡大を打ち出したことから、金融支援の条件となっている財政改善を順守できない恐れがあると判断した。

ユーロ圏が5日の財務相会合で合意した短期的な軽減策は、一部の債務の返済期限延長、融資金利の固定化を認めるという内容。これによって国内総生産(GDP)比180%近くに上るギリシャの累積債務を2060年までに20%ポイント圧縮する。

同措置は金融支援の実行機関であるユーロ圏の欧州安定メカニズム(ESM)が数週間以内に実施することになっていた。しかし、ギリシャのチプラス首相が8日、クリスマスを前に生活が苦しい年金受給者に6億1,700万ユーロを臨時に給付することや、難民が流入している島々の付加価値税(VAT)を軽減する措置の継続を表明したことから、ユーロ圏はギリシャが約束している財政再建に狂いが生じ、財政再建をめぐる合意に違反する可能性があるとして実施を差し止めた。

ユーロ圏は来年1月に開く財務相会合で、ギリシャが支出を拡大しても基礎的財政収支の黒字化目標を達成できるかどうかを検証し、債務軽減策実施の可否を判断する。

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