アクテリオン買収、J&Jが断念

製薬・医療機器大手の米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)はこのほど、スイスのバイオ医薬品大手アクテリオン・ファーマシューティカルズ(アルシュヴィル)の買収に向けた交渉を打ち切ったことを明らかにした。一方、アクテリオンは13日、J&J以外の企業と買収交渉を行っていることを公表。対象企業は明らかにしていないが、欧州の主要メディアは仏製薬大手サノフィと報じている。

アクテリオンは心臓医であるジーン・ポール・クロゼール最高経営責任者(CEO)が中心となって1997年に設立した企業で、希少病である肺動脈性肺高血圧症の治療薬を開発・製造している。J&Jは同社の買収により循環器系疾患分野の事業を強化する考えだった。

消息筋によると、J&Jはアクテリオンを約270億ドルで買収することを提案した。これは買収観測が浮上する直前の株価を約60%上回る水準だった。

これに対してサノフィが対抗して買収に乗り出し、アクテリオンに最大300億ドルを提示したとみられている。

上部へスクロール