フェイスブックに競争法違反の疑い、欧州委が異議告知書送付

欧州委員会は12月20日、インターネット交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックがメッセージングアプリ大手ワッツアップの買収をめぐり、EU競争法に違反した疑いがあるとして、同社に異議告知書を送付したと発表した。フェイスブックが欧州委から買収の承認を取り付ける際、誤った情報を提供した疑いが強まったとしている。

フェイスブックは2014年2月、ワッツアップを190億ドルで買収すると発表。同年10月に欧州委から承認されていた。

欧州委によると、フェイスブックは買収審査に際して、同社とワッツアップの利用者のアカウントをマッチングすることはできないと説明していた。しかし、ワッツアップは8月、個人情報に関する方針を転換し、マッチングが可能とした。このため、欧州委はフェイスブックが買収認可に向けて、故意に誤った情報を提供したと判断。制裁手続きの第1段階となる異議告知書を送付した。

フェイスブックは1月31日までに異議告知書に返答することを求められる。最終的に競争法違反と認定されても買収認可を取り消されることはないが、売上高の最大1%に相当する制裁金の支払いを命じられる可能性がある。2015年の売上高に基づくと、制裁金は最大1億7,900万ドルに上る。

上部へスクロール