クロアチアのアンドレイ・プレンコビッチ首相は12月末、同国の石油大手INAの株式49%をハンガリーのエネルギー最大手MOLから買い戻す方針を明らかにした。MOLが握るINA経営権の取り消しを求めた訴えが、国連国際商取引委員会(UNCITRAL)によって却下されたことを受けたもの。同首相は「ハンガリー側にはすでに決定を知らせている」と述べた。買い戻し額などの詳細は明らかにされていない。
MOLは2009年、INAの株式49%を取得し、経営権を確保した。これをめぐってクロアチア当局は、サナデル首相(当時)が便宜を図って同取引を実現させ、MOLから約1,000万ユーロの賄賂を受け取ったとして、元首相を2010年に逮捕していた。UNCITRALは今回、MOLとINAの契約は収賄によって成立したもので正当性を持たないとし、クロアチア政府の訴えを退けた。
クロアチア政府はINAの株式45%を持つ。プレンコビッチ首相は、MOL保有株の取得で政府の債務負担が悪化することはないと言明した。