中国製太陽光パネルの反ダンピング措置、加盟国が延長を拒否

欧州委員会は26日、EU加盟国に中国製太陽光パネルへの反ダンピング措置延長を提案したが、過半数の国が反対に回り、合意に至らなかった。消息筋が英フィナンシャル・タイムズなどに明らかにした。

EUは2013年、中国の太陽光パネルメーカーが不当な廉価で製品をEUに輸出し、域内のメーカーに大きな打撃を与えているとして、中国製の太陽光パネルに反ダンピング税を課した。その後の中国政府との協議で、中国メーカーがEUへの輸出に最低価格と上限を設け、価格を引き上げる代わりに、EUが反ダンピング措置を中止するという和解案で合意したが、同合意に従わないメーカーには税率が最大64.9%の反ダンピング関税を課してきた。

欧州委は合意を順守しないメーカーへの反ダンピング措置適用が15年12月に期限を迎えたことから、2年の延長を加盟国に提案した。しかし、消息筋によると26日の採決では、28カ国のうち18カ国が反対した。中国政府の報復措置を恐れたことが理由とみられる。

欧州委はこれを不満とし、再採決を求める予定。今回の採決は単純多数決方式で実施されたが、次回は各国の人口に応じて票数を割り当てる特定多数決方式が採用される。票数が多いドイツ、フランス、イタリアなどが欧州委を支持していることから、最終的には反ダンピング措置の延長が承認される見通しだ。

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