英上院は1日、政府にEU離脱を通告する権限を与える法案の修正案を賛成多数で可決した。これによって同法案は下院で再審議されるため、成立が予定よりずれ込むことになった。
修正案は英国内に居住する他のEU加盟国の市民に対して、英の離脱後も居住権を認めることを保障するよう政府に求めるという内容。政府は他の加盟国が英国人に同様の権利を認めるのが前提として、現時点での保障を拒否する方針を打ち出しており、与党が過半数を占める下院では2月8日に法案が原案のまま可決された。しかし、与党が過半数を割り込む上院では修正法案が賛成358、反対256で通過した。
英国はEUとの離脱交渉を3月末までに開始することを目指しているが、その前に英政府が離脱を正式に通告する必要があり、同法案の早期可決が求められている。上院の抵抗で目算は狂ったものの、政府は下院で修正法案が否決され、月内に離脱を通告することが可能になると見込んでいる。