EUは2月27日、北朝鮮に対する制裁を強化すると発表した。北朝鮮が昨年9月に核実験を実施したことを受けて、国連安全保障理事会が11月末に採択した制裁強化の決議に基づき、同国に対して一段の厳しい措置を講じる。
今回の措置は北朝鮮からの石炭、鉄、鉄鉱石の輸入制限と、銅、ニッケル、銀、亜鉛などの輸入禁止が柱。北朝鮮への新たなヘリコプターや船舶の輸出も禁止する。さらに、EU側が北朝鮮の核・弾道ミサイル計画に貢献するような専門的な教育や訓練を施したり、科学・技術面で協力することも禁止される。
EUは北朝鮮が初めて核実験を行った06年から制裁を実施しており、同国が核実験や弾道ミサイルの発射をくり返すたびに国連安保理決議の枠組み、あるいはEU独自の判断で制裁を強化している。
国連安保理の専門家パネルは2月末、北朝鮮が極めて巧妙な手口で国連の制裁決議に基づく貿易制限や金融取引の制限を回避しているとの報告書をまとめた。北朝鮮がマレーシアやシンガポールなどのフロント企業を使って軍事用機器などを輸出し、核やミサイル開発に必要な資金を調達している実態を明らかにしている。