VW、印タタと戦略提携

欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)は10日、インド同業のタタ・モーターズと戦略提携することで基本合意したと発表した。協業の具体策は今後、両社で協議していくとしており、詳細は明らかにしていないものの、インドをはじめとする新興市場向けの低価格車が協力関係の中心になるもようだ。VWはタタとの協議・協働を量産車子会社シュコダの主導で推し進めていく。

まずは長期提携の可能性を模索する考えで、市場情報や地域に根差した開発に関する情報を共有。顧客ニーズを明確化したうえで、部品・プラットフォームの共有化を目指す。協力関係は当面、インドに限定するものの、長期的には低価格車の需要が大きい他の新興市場にも拡大していく。

インドは現在、世界で5番目に大きな乗用車市場で、2025年には日本とドイツを抜いて3位に浮上すると予想されている。

同国で販売される乗用車の約3分の2は5,000ドル未満の車両が占める。このため、低価格車なしに同国市場を攻略することはできない。

VWは低価格車を持っていないことから、インド市場に強いスズキと2009年に資本・業務提携した。だが、VWがスズキの買収を狙っているとの疑惑が生じたため蜜月は続かず、提携は解消された。VWはまた、低価格車「フォックス」の開発を行ったものの、マルティン・ヴィンターコルン社長(当時)の要求する技術水準と価格を両立できず、商品化できなかった。

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