EU統計局(ユーロスタット)が4日公表したEU域内のエネルギー消費に伴う二酸化炭素(CO2)排出量に関するリポートによると、2016年は化石燃料の燃焼によるCO2排出量が前年比で0.4%減少した。EU全体ではCO2排出量がわずかながら前年の水準を下回ったものの、国別にみると、EU28カ国のうち17カ国でCO2排出量が増加した。
CO2排出量は気候条件、経済成長、人口規模、輸送や生産活動など、さまざまな要因によって変動するが、EUではCO2が温室効果ガス排出量の約80%を占めている。また、エネルギー消費に伴うCO2排出量には、当該国におけるエネルギー資源の輸出または輸入量が反映されている。例えば石炭を輸入した国ではCO2排出量が増加するが、電力を輸入した場合は排出量に直接影響は及ばない(ただし、輸出国でその分だけCO2排出量が減少する)。
CO2排出量を国別にみると、前年との比較で最も減少幅が大きいのはマルタの18.2%減で、以下、ブルガリア(7.0%減)、ポルトガル(5.7%減)、英国(4.8%減)、ルクセンブルク(3.8%減)と続いている。これに対し、フィンランドでは前年比8.5%増と最も大幅な増加を記録。キプロス(7.0%増)、スロベニア(5.8%増)、デンマーク(5.7%増)、クロアチア(4.3%増)などでもCO2排出量が前年の水準を大幅に上回った。