伊鉄鋼大手イルバ、アルセロールミタルの連合が買収

イタリア政府は5日、国有化した伊鉄鋼大手イルバの売却に向けた入札で、鉄鋼世界最大手アルセロールミタル(ルクセンブルク)が率いる企業連合が落札したと発表した。売却額は18億ユーロに上る。

イルバは伊南部ターラントにある大型製鉄所が粉じんによる周辺住民の健康被害を引き起こしたため、2012年に政府の管理下に置かれた。さらに競争激化で赤字が続いていることから、政府は15年、雇用維持のため国有化していた。

アルセロールミタルは伊製鉄会社マルチェガリア、大手銀行インテサ・サンパオロと企業連合を結成して応札。対抗馬であるインド鉄鋼大手JSWスチールと中核とする連合に競り勝った。

ターラントは欧州最大級の製鉄所。アルセロールミタルの連合は24億ユーロを投じて環境汚染対策を進めると同時に増強を行い、現在は年600万トンの生産量を2024年までに800トンに拡大する計画だ。一方、イルバの従業員は24年までに1万4,000人から8,400人に削減する。

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