アイルランド2位銀、IPOで33億ユーロ到達へ

アイルランド政府は12日、金融危機で国有化した国内2位銀行アライド・アイリッシュ・バンク(AIB)が実施する新規株式公開(IPO)の仮条件を発表した。1株当たりの売り出し価格は3.9~4.9ユーロで、最大33億ユーロを調達することになる。

アイルランドはリーマンショックに伴う金融危機で経営が行き詰まったAIBに総額210億ユーロの公的資金を注入して救済し、2010年に国有化した。現在は株式99.9%を保有している。

政府は5月中旬、AIBの業績が不良債権処理などによって改善したことから、再民営化に向けた環境が整ったと判断。IPO実施を表明していた。

目論見書によると、AIBは発行済み株式の25%に相当する6億7,900万株を公開し、アイルランドと英ロンドンの証券取引所に上場する。上場予定日は6月27日。欧州での銀行の上場としては、金融危機以降で最大級の案件となる。

応募が超過した場合は追加で株式を公開するため、IPOの規模は最大38億ユーロに膨らむ。時価総額は最大133億ユーロに達する見通しだ。

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