高級ブランド大手のカンパニー・フィナンシエール・リシュモン(スイス)は3日、中国風ファッションブランドの「上海灘(シャンハイタン)をイタリアの実業家アレッサンドロ・バスタリ氏が率いる企業連合に売却したと発表した。リシュモンは1998年に上海灘を買収したが、同事業は低迷していた。
バスタリ氏はイタリアの繊維会社リネアピウなどを経営する実業家。香港と英国の投資会社と共同で、上海灘の過半数株式を6月30日付で取得した。取得した株式の数、買収額など詳細は公表されていない。
上海灘は香港の実業家デーヴィッド・タン氏が1994年に創業したブランド。リシュモンが98年に過半数株を取得して買収し、10年後に全株式を握った。
リシュモンは中国の伝統的なデザインを生かした衣料、アクセサリー、雑貨などを香港を訪れる外国人観光客向けに販売していた上海灘を世界的な高級ブランドとすることを目指し、買収後に海外展開を開始した。しかし、同戦略がつまずき、上海灘は赤字が続いているとされる。リシュモンは昨年末に経営陣を刷新した際に打ち出した合理化計画に沿って、上海灘の売却を決めた。