ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ、ベルギー)は20日、エナジードリンクやスパークリングウォーターを製造・販売する米ハイボールを買収すると発表した。買収額など取引の詳細は不明。「バドワイザー」などを展開するABインベブはハイボールの買収を機に、米市場で清涼飲料事業を強化する。
ハイボールは2005年の創業で従業員は20人。有機原料を使ったエナジードリンク「ハイボールエナジー」やスパークリングウォーター「アルタ・パラ」を主力商品とする。ABインベブは第3四半期の取引完了を見込んでおり、自社の販売網を通じて段階的にハイボール・ブランドの販路を拡大する方針を示している。
ABインベブは昨年、同業2位の英SABミラーを約790億ポンドで買収したが、競争当局の承認を得るため米国や欧州でSABの事業を売却した。今年5月には2020年までに米国のビール事業と清涼飲料事業に計20億ドルを投資する計画を打ち出し、市場ではABインベブが新たな買収に乗り出すとの観測が広がっていた。米国では消費者の健康志向を受けてノンアルコール飲料の需要が拡大しており、なかでもエナジードリンクとスパークリングウォーターが最大の成長分野と目されている。