英離脱に伴うEU機関の移転、21カ国が誘致に名乗り

英国のEU離脱に伴って同国から移転する欧州医薬品庁(EMA)、欧州銀行監督機構(EBA)の誘致に、EU21カ国の計23都市が名乗りを上げた。11月の移転先決定に向けて、各国が激しい誘致合戦を繰り広げることになる。

EMAとEBAはロンドンに本部があるため、英のEU離脱によって他の加盟国に移転する。誘致を希望する国は7月30日までに候補地を申請することになっていた。

EMAの候補地は独ボン、仏リール、伊ミラノ、オランダのアムステルダム、ギリシャのアテネ、スペインのバルセロナ、ベルギーのブリュッセル、オーストリアのウイーン、デンマークのコペンハーゲン、アイルランドのダブリン、フィンランドのヘルシンキ、スウェーデンのストックホルム、ポルトガルのポルト、ポーランドのワルシャワ、ルーマニアのブカレスト、スロバキアのブラチスラバ、ブルガリアのソフィア、クロアチアのザグレブ、マルタの19都市。EBAについては独フランクフルト、仏パリ、チェコのプラハ、ルクセンブルクとブリュッセル、ダブリン、ワルシャワ、ウイーンの8都市が候補となっている。

EU機関の誘致には政治的な意味合いのほか雇用、関連施設の設置、人の往来など経済的な利益ももたらされる。英国を除く27カ国で両機関の誘致に名乗りを上げなかったのはハンガリー、スロベニア、キプロス、リトアニア、エストニア、ラトビアだけだった。ブリュッセル、ダブリン、ワルシャワ、ウイーンは重複立候補となる。

EUは6月、移転先について、職員の移動のしやすさ、家族の雇用機会、学校が十分にあるかや、すでに他のEU機関があるかどうかなどを基準に、総合的に判断することを決定。欧州委は9月30日に各候補地の審査結果を公表する。これに基づいて加盟国は10月に開かれるEU総務相理事会で協議を行い、最終的には11月の同理事会での投票で移転先が決まることになっている。

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