レノボ親会社がルクセンブルクの銀行買収

中国パソコン最大手レノボ・グループを傘下に持つ投資会社レジェンド・ホールディングス(聯想控股)は1日、ルクセンブルク国際銀行(BIL)を買収すると発表した。カタールの投資会社プレシジョン・キャピタルからBILの株式89.9%を14億8,400万ユーロで取得する。

レジェンドはレノボ以外にプライベートエクイティのホニー・キャピタル、ベンチャー投資会社レジェンド・キャピタル、不動産大手レイコムなどを傘下に持ち、金融サービス、食品製造、レンタカー、歯科医療などさまざまな分野に進出している。BILの買収は、中国が進める広域経済圏構想「一帯一路」のもと、海外に進出する中国企業に金融サービスを提供するのが狙い。金融当局の承認を経て、2018年3月までの買収手続き完了を目指すとしている。

BILは1856年設立で、ルクセンブルクの非上場銀行としては最も古い歴史を持つ。ルクセンブルク政府はBILに約10%出資しており、グラメーニャ財務相はレジェンドによる買収後も同行の株式を維持する方針を示している。

中国政府は資本流出を防ぐため、国内企業による海外投資の範囲を制限して海外での買収に対する監視を強化しているが、一帯一路の沿線国への投資活動は奨励しており、中国企業は欧州金融業界への進出を加速している。5月には航空事業などを手掛けるHNAグループ(海航集団)がドイツ銀行の筆頭株主となったほか、投資会社のフォースン・グループ(復星集団)は資産規模でポルトガル銀行最大手のミレニアムBCPの株式24%を取得している。

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