福島産食品の輸入規制緩和、欧州議会が反発

欧州議会は13日の本会議で、EUが福島第一原子力発電所の事故を受けて実施している福島県産などの食品に対する輸入規制の緩和を提案していることを批判し、撤回を求める決議を採択した。

EUは現在、福島と周辺12県の農水産品を輸入する際、放射能物質の検査証明書を提出するよう求めている。欧州委員会のユンケル委員長は7月、検査の対象品目を削減し、コメやキノコ類、一部の水産品を検査なしで輸出できるようにすることを提案していた。

これについて欧州議会は、欧州委は日本政府が2014年から16年にかけて提供したデータの分析結果に基づいて規制緩和を提案したが、このデータが開示されていないため、対象食品の安全性を確認できないとして反発。緩和に反対する決議を賛成543、反対100、棄権43の賛成多数で採択した。

EU加盟国は10月にも規制緩和の可否を採決で決定することになっている。今回の決議に法的拘束力はないが、欧州議会の広報担当者がAFP通信に明らかにしたところによると、EUは採決までに、加盟国が指定する専門家によって同問題を検証する予定という。

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